室長の週刊ミュージックカラー
“色”を愛でること40年。『FASHION COLOR』も統べる会社の屋台骨・企画室の室長による色を感じる音楽案内。
#11 スキな即興・ニガテな即興
KIETH JARRETT「The Köln Concert」
ハロー、室長です。
キース・ジャレットについては『メロディー・アット・ナイト、ウイズ・ユー』でも紹介しましたが、キース・ジャレットが好きな私としましては、どうしてももう1枚紹介したくて、このアルバムを紹介させて頂きます。
このアルバムは1975年1月25日のケルンでのソロ・コンサートを録音したもので、スタンダード・ナンバーを弾いたものとは違い、即興演奏です。いくら即興とはいっても全く何もないところからいきなり弾いているのではなく、ある程度は「こんな演奏をする」というものが頭の中にあって演奏しているのでしょうが、最初の曲がなんと26分15秒という長い即興演奏です。LPレコードの時にはこの1曲だけで片面を占めていました。しかも美しいメロディーが次々と繋がっていきます。とても素晴しい演奏です。
キース・ジャレットの即興ソロ・コンサートに行ったことがありますがキースはすごく緊張していました。すさまじい集中力で演奏していました。最大限の集中力でもって1音1音の音を出し、メロディーを紡ぎ出しているという感じでした。
あのときのコンサートの2曲目か3曲目を演奏している最中に観客の1人が拍手をしました。その途端にキースは演奏を止めてしまいました。拍手によってその曲への集中力が途切れてしまい演奏を続けることができなかったのでしょう。即興演奏というのはそれほど難しく、緊張し、集中力の必要なものなのでしょう。
拍手によって演奏が中断され、しらけてしまいましたが、その後しばらくしてから再び集中力をとりもどして別の曲を演奏し始めました。あの時のコンサートでは、アンコールで演奏した、曲名はわかりませんがスタンダード・ナンバーを演奏したものが私の記憶では素晴しい演奏として記憶されています。
キース・ジャレットの即興ソロ・コンサートは、これまでに世界の各地で行われCDになっているものも何枚かありますが、私個人の感想では好きな演奏のものはあまりありません。その時の会場の雰囲気やキースの体調によって変わってくるのでしょう。
即興ソロ・コンサートで私が好きなのは、この『ケルン・コンサート』の他には1995年のミラノ・スカラ座での録音『ラ・スカラ』の1曲目ぐらいです。『ラ・スカラ』の1曲目も44分と長い演奏ですが、素晴しい演奏です。キースの即興ソロは、興にのると次から次へと繋がっていって長くなってしまうのでしょう。
キース・ジャレットの生演奏をいつまで聴くことができるのかわかりませんが、『ケルン・コンサート』や『ラ・スカラ』のような演奏を生で聴いてみたいものです。
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