室長の週刊ミュージックカラー
“色”を愛でること40年。『FASHION COLOR』も統べる会社の屋台骨・企画室の室長による色を感じる音楽案内。
#09 モダンジャズらしい○△□
The Dave Pike Quartet「PIKE'S PEAK
ハロー、室長です。
私がこのコラムで取り上げるのは有名なアーティストの作品が多いのですが、今回はあまり知られていないものを挙げてみます。
このアルバムとの出会いは、20年ぐらい前、日本色彩研究所が六本木にあった頃で、その研究所からの帰りに何かおもしろいレコードはないかなと、その頃六本木にあったWAVEに寄ってみた時に低音がボンボン鳴っているジャズがかかっていて、オーディオ好きな私は、どんなスピーカーで鳴らしているんだろうと確かめてみましたら、なんとLS3/5aという小さなスピーカーで鳴らしていたのです。
LS3/5aというスピーカーはオーディオ好きの人なら誰でも知っていると思いますが、BBCモニターの規格に基づいて作られたスピーカーで、ロジャース、スペンドール、ケフ、ハーベスなどのイギリスのメーカーで作られ、縦横が30.5×19cm奥行きが16cm、ウーファーの直径は10cmという小さなスピーカーです。こんな小さなスピーカーから信じられないような低音が出ていたので驚いたのです。他の場所でLS35/aの音は聴いたことはあったのですが、あのように鳴っているのを聴いたのは初めてでした。
低音に感心して聴いていると、流している音楽も結構良い。その時鳴っていたのがこのアルバムです。それまでデイブ・パイクというアーティストは知らなかったのですが、メンバーを見ますとなんとピアノはビル・エバンスです。
録音は1961年11月です。デイブ・パイクはヴァイブを演奏しています。ヴァイブというのはヴィブラフォンともいい、鉄琴の一種の打楽器です。ヴィブラフォンといえばミルト・ジャクソンやゲイリー・バートンが有名ですが、デイブ・パイクももっと評価されても良いのではと思います。
どんな音楽かといえば、1961年の録音ですからジャズらしいジャズ、ジャズ喫茶で流れるようなジャズというのかな。今から50年ぐらい前の録音ですが、録音も素晴らしい。
アルバム・ジャケットはご覧のように夕焼け空のようなオレンジ色にピラミッドのような三角形の黒のシルエット。それにアクセントカラーとして丸い太陽の黄色という配色です。オレンジと黒の彩度対比配色ともいえます。三角と丸とジャケットの正方形、形からみてもモダン・ジャズらしいデザインだなと思います。
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